(’A`)
『「私は、仕返しが悪いと言っているんじゃないよ。いいかい、もう二度とそんなことは起こってほしくない、ともし真剣に考えるのならば、今牢屋に入っている犯人を殺すか殺さないか、なんてことは問題じゃない。それよりももっと大事なことは、これから、それと同じようなことをするかもしれない人間に注意を払うことだ」』
[探偵伯爵と僕 113頁から引用]

この小説の本題とはあまり関係ない文なんだけど、
なんとなく印象に残った主人公と伯爵の会話の一部分。
11月26日の日記の続きみたいなもんだけど、
この作品の中で伯爵が語るように、
再犯を恐れるならずっと牢屋に入れておけばいいわけで、
そういった考えもある中で、どうして死刑が必要とされるのかを考えると、
仕返し、復讐といった意味合いは、
第三者によって判断・執行される事から、大分薄れていると思われる。
社会的損失で考えれば、死刑判決が下るものは殺人罪に問われているものだが、
その被害者が亡くなった事でのマイナスがあるが、
死刑によってその犯人が裁かれる事でもマイナスが発生する。
が、生かしておく事でプラスに転じるのだろうかと考えると疑問がある。
終身刑を設定したとして、
刑務所での労務でプラスにしたとしても微々たるものだろうし、
(相当なプラスを作る生き地獄なら死刑廃止して、
そっちでもいいって人いるかもしれないけど、人道・人権的にありえない。)
社会復帰したとして、就労しても社会は簡単に受け入れない事が当然で、
それなりに社会に還元したとしても、
被害者の分も合わせてなんて事はまず無理だろうと。
プラスだマイナスだと単純に話す内容でもない事は重々承知していて、
まぁ何が言いたいかというと、社会復帰したところで納得できるほど、
社会に良い影響を与えられるわけでもなく、
むしろ一般人の社会不安への影響力の方が大きいのではないかと。
問題は死刑を廃止して、刑を終えた人を社会が一般人と同様に扱えるかという話で、
受け入れる社会側が準備も整ってもいないのに、
終身刑がない現状、死刑が廃止されたら何人も人を殺した人が出所するとか、
徒に再犯率を上げるだけだろうし、
現状の殺人・強盗などの重大事件の出所している人での再犯率が三割超えている中、
死刑は無くした方がいいと言う人は考え無しだと思う。
裁判員導入後、よく話題になる死刑の議論から、
どうやったら死刑を無くせる社会を作れるのか、
そこから前科者の社会復帰へと議論をシフトさせて、
社会全体で考えていく段階にあるんじゃないかと思っています。

ちなみに『探偵伯爵と僕』は子供向けという事だけど、大人も楽しめる。
というか最後の仕掛けは子供じゃわからんだろうと。
あらすじはAmazonでも見ればいいんじゃないかな!
引用文からそのまま、人殺しのメカニズムの解明した方がいいとかは、
現実的じゃないだろうと思うのでちょっと話題には…(;’∀`)

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